②自分がどうなりたいのか?将来が見えないの?
①変わった会社の変わった求人広告
たまたま聞いた本屋での会話。
「最低だね」と言われた求人広告。
でも私にはぴったりと思えた。
何かを感じたのかもしれない。
何もかもが充実してる今は「神様からのプレゼント」とまで思える。
募集要項 イベントスタッフ・営業
給与 12万~100万以上可
応募資格 学歴不問
本気で人生変えたい人
自分が変わりたいと思っている方
目的をもって努力を楽しもうとする方
時間だけ働いて給与をもらおうと思っている方は応募不可
勤務時間 基本は自己申告制
(自分の出来る時間に働けるように自分で管理)
担当者より 当社は人生を変えたい、自由が欲しい、そのために努力を
楽しんでいこうと思える人を募集します。
ただ働こう、時給さえ、給与さえもらいたい人は当社の
社風は厳しいと思うので応募しないで下さい。
今までうまくいかない、でも何とかしたいと思っている人は
厳しい社風ですが応援します。
よくご検討の上、ご応募ください。
※応募の方は当社に、お電話下さい。当社規定の履歴書を送付致しますので、規定の履歴書を当社まで、ご返送ください。
※1次書類面接で合格された方のみ、追って面接日時を応相談
と書かれていました。
この会社‥何様??
と思う内容。
でも学歴不問、自由ほしい、人生変えたい。
そんな気ワードが私の心を揺さぶりました。
②変わった会社の変わった履歴書
意を決して電話!
今まで何社、転職されましたか?と聞かれました。
「6社です。」と答えると
「6社分の職歴書を送りますので詳細をご記入ください」と言われました。
自宅に規定の履歴書が届きました。
その当時の履歴書は今も私の会社で活用しています。
職歴書が6枚入っていました。
普通の履歴書とは違う点は
・一身上の都合と書けないこと。
・学歴記入欄がないこと
・資格は運転免許の有無しか記入することができないこと
・志望の動機の記入欄が大きいこと
この会社は一体こんな履歴書でどうしようと思っているんだろう?
そんな疑問がありながらも学歴も書かなくていい、資格も免許位は持っているし
私にとっては初めての自信喪失しない履歴書です。
「この会社なら私も認めてもらえて頑張れるかもしれない」
私にはワクワク感がいっぱいでした。
そのワクワク感はすぐに
「この会社で働きたい」に変化していきました。
③ワクワクはすぐに挫折に
書類審査を通過し面接の連絡がありワクワク感はさらに高まり面接へ。
面接に行って驚いたことは面接官2人、どうみたって私と同じくらい。
当時20歳だった私と変わらない?って人達。
年は変わらないはずなのに何だこのキラキラ感。
誰がみても楽しそうに見える人達。
会社理念に「夢」って書いてある‥
夢って何時ぶりに聞いた言葉だろ。
寝てるときに見るとは思えないし‥と思っていたら同世代の面接官から質問が!
「夢はありますか?」
って。
うまく答えられなかった。
だって想像してなかった。
そんなこと今までどこの会社でも聞かれなかった。
面接のノウハウ本にだって書いていなかった。
そしてやっぱり予想通り「今回は残念ですが」との連絡が来た。
あんなに楽しみにしていたのに。
こんなにワクワクしたのって久しぶりだったのに。
ワクワク感はすぐに挫折へと変わった。
④ダメでもともと
通知が来てからも、ずっとあの会社のことを考えている自分がいた。
なんであんなに若い人が面接官?
なんであんなにキラキラしているの?
もしあの会社に入れてたら?
次の就職先を見つけようとしても、求人広告を見ても衝撃を受けたあの内容が
ない。
このままじゃダメだ。
もう1度行ってみよう。
どうしても働いてみたいって言ってみよう。
それでダメならあきらめよう。
どうせ今までダメだったんだから。
そう思ったら、時間も気にせずにその会社に向かっていた。
こんなこと初めてかも。でも行きたい。
その気持ちの方が強かった。
ダメ元ってこのことかな?
でももしかしたら・・とまだワクワク感が残っていた。
⑤ウチの会社をどう思っているかに興味がない?
面接の時の会社に到着した。
電気が消えている。誰もいないか…
でもまだ18時、もう少し待ってみよう。
そう思ってたら暫くしてから1台の車が来た。
その車から一人の女性が降りて来た。
年齢はそこまで変わらない感じだけど、この前の面接官の人よりさらにオーラを発揮していた。
私は勇気を振り絞って声をかけてみた。
「あのーーここの会社の方ですか?」
「そうだけど、ウチに何か、御用です?」
「この間、面接してもらったんですけど採用してもらえなくて、でも‥
どうしてもこの会社で働きたいなと思って来てしまいました」
声が震える‥この人の目に圧倒される‥ドウシヨウ・・・・
すると
「アハハ、そうなんだ、落とされちゃったんね、で?それでもまた来てくれたん?」
「はい・・。」
「まぁとにかく寒いから中入って。」
気さくな感じのこの人、きっとこの会社のオーナーに違いない。
だからこのオーラなんだ‥そう思いながら事務所に入れてもらうと‥
「で?どうしてそんなにウチに入りたいの?」
と聞かれた。
(面接のノウハウ本のように、今度は失敗しないように‥勉強してきましたから!)
「御社の学歴を問わない社風や、業務内容に共感を得まして、また面接に来た時の
御社の社員の人柄…」
ととにかく会社を気にいっているアピールをして・・・と
懸命に話していると
「ごめん、名前聞いてなかったよね、名前は?」
「丸山と申します。」
(なんだ?突然?聞いていなかったの?私の勉強の成果を!by心の中)
「丸山さんね、丸山さん悪いんだけどさ、丸山さんがウチの会社をどう思ってくれてるのか、私はそこに興味がないんだよねーw」
って笑ってる・・??
(興味がない?私に?どうしよう、このままじゃ、落とされる…by心の中)
そう思ってたらテンパって言葉も出なくなって‥
④これからどうないたのか?
「丸山さんがウチの会社をどう思っているかどうかは、どうでもいい、例え誰に批判されても私はこの会社が好きだからね。それより、丸山さんはウチの会社に来てどうなりたいの?」
‥‥て?
この会社に来てどうなりたい?
そんなこと聞かれたことも考えたこともなかった。
ただ働いてみたいと思った、今までは?
お金のため、生活していかなきゃって・・?
でもこれを言うと、やばくない?
けっ!て思われない?
頭の中がさらに混乱してきて言葉を選んでいると‥
「ごめんね、それが明確に答えられない人は、ウチにはいらないかな」
(って??ヤバくない?このままじゃマズイ‥by心の中)
何も言葉出て来ない‥すると‥
「だって自分のことでしょ?自分が本当はどうなりたいのか?どうしたいのか?」
「自分の将来だよ、この会社の将来を予測してとかさ、クイズしてる訳じゃないからね、でも分かんないんだよねーー」
(って笑ってる?クイズって?ふざけてる?by心の中。)
自分の将来??
将来は考えたことがある。
でも考えると、いつも決まって不安になる。
だから、考えないようにしてきたし…
どうなりたいのか?
こんなこと考えたことないかも。
どうなりたいかよりも、どうやって場になじむか。
どうやって取り繕うか‥
この人はどんな回答を期待している?
どうしよう、この人の望みの回答は何??
このままだったら落とされる・・
それで頭はいっぱいでした。